2009/07/04

FLW 2


長さ3メートルの柱状のものを横に積み上げて、壁とする。
この場合、材料力学的に無駄というか無理な力というものはどの程度働いているのだろうか?

単純な素材ほど、奥深い歴史と効果がひそんでいて、悩みまくる。
単純にすることにおいて、悩みまくっているのだ。

グッゲンハイムへの憧憬を懐に秘めて、完全に黙秘するつもりで、スタディ ルームの設計にあたったが、あたりまえのように、私の観点は「設計」には無い。
「設計」は人間の直感を鈍くしてしまう。ただ、平面図を立体的に観る訓練とかすると、もしくは建築図面を時刻表のように観る訓練を積んでいくと、「もうひとつの世界」が脳内には立ち上がってくる。
たとえば、楽譜を建築図面として読み取って建ててゆく建築家もいるだろうし、その逆もあるのだろう。化学記号を楽譜に見立てて演奏を試みる音楽家もいるはずだ。
それで「家」が建っていられるかは、知らないが。

著名な訪問医の発言で、「家の玄関を見ただけで、その患者の病歴がわかる」ほどになったというたくましい経験は私にはまだ無いが、今回の「レッド ライト シェルター」には、三つの自分の起爆剤が使われている。一つ目は、まだ、暗室が必要だということ。二つ目は、やるからにはある程度の筋肉を酷使すること。三つ目は、最後に写真に落とし込むこと。
21世紀に入って、写真をとりおこなうことの苦痛は増すばかりだが、写真が単なる動画の静止像ではないことを、突き詰めてゆきたい。

という伏線の中で、フランク ロイド ライトへの対話を「FLW」と暗号化して、はじめる。



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